任意代理人
「任意代理人」とは、法律行為である委任により本人から任意に選任された代理人のことです。
対照となるものに、法定代理人があります。法定代理人は法律の規定により代理人となることに違いがあります。
したがって、任意代理人とは、法定代理人以外のすべての代理人ということになります。
法定代理人の規定の例を挙げます。
- 親権者(民法第824条)
- 未成年後見人(民法第859条)
- 成年後見人(民法第859条)
- 代理権付与の審判があった保佐人(民法第876条の4第1項)
- 代理権付与の審判があった補助人(民法第876条の9第1項)
任意代理人の復任権と責任
任意代理人は、本人の許諾があるとき及びやむを得ないときに、復代理人を選任することができます。(民法第104条)
復代理人を選任したときは、任意代理人はその選任及び監督につき責任を負います。(民法第105条第1項)ただし、本人の指名により復代理人を選任した場合は、その責任は、悪意かつ通知または解任を怠った場合を除いて免除されます。(民法第105条第2項)
一方、法定代理人は自由に復代理人を選任できます。しかし、復代理人による損害は選任、監督以外の責任も負います。やむを得ない場合の選任であった場合は責任は軽減され、選任及び監督についての責任となります。(民法第106条)
以上のことを分かりやすく表にしましたので、参考にしてください。
任意代理人 | 法定代理人 | |||||
復代理人の選任 | 責任 | 復代理人の選任 | 責任 | |||
通常のとき | 本人の許諾なし | × | − | ○ | 全面的に損害賠償責任を負う | |
本人の許諾あり | 本人による指名なし | ○ | 選任及び監督について | ○ | 全面的に損害賠償責任を負う | |
本人による指名あり | ○ | 免責(悪意かつ通知、解任怠ったときを除く) | ○ | 全面的に損害賠償責任を負う | ||
やむを得ないとき | ○ | 選任及び監督について | ○ | 選任及び監督について |
○:復代理人を選任できる
×:復代理人を選任できない
あ い う え お |

